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講座10 ORACLE DATABASE、データベースの監視管理と補完ツールの活用
ORACLE製品も他のベンダー製品と同様に運用が開始された直後は問題ありません。
しかし、期間を経ると、序々にデータ量が増加し、負荷によりデータ検索のパフォーマンス(処理速度)が落ちてきます。
放置しておくと、ディスクの空き領域不足のエラーや操作が反応しないといった事が発生してきます。
上記の問題を回避する為に、データベースの監視を行い、予防する運用が必要となります。
支援ツールががEnterprize Managerに機能として備えられています。
解決の為には補完ツールが動いており、活用しながら、システムメンテナンスを維持してゆくのです。
流れとしてはEnterprize
Managerで以下の行動を行います。
1.サーバの状態確認(統計情報=メトリックによる定期的な情報採取)
↓
2.メトリックを利用した、しきい値とアラート設定(担当者への警告・緊急時通知設定)
↓
3.特定の時点のスナップショット(統計情報)の採取設定
↓
4.2つのスナップショップ(統計情報)のレポートを解析する全体的な自動診断機能(ADDM)の活用
↓
5.役割を分担した形での個別アドバイザ機能の活用
詳細な流れ
1.サーバの状態確認(統計情報=メトリックによる定期的な情報採取)
Enterprize
Managerのデータベース・インスタンス→ホーム→
関連リンクのすべてのメトリック→メトリック一覧が表示
例:フラッシュ・リカバリ領域における空き領域の割合、表領域の領域使用率など
上記2つはデフォルトで最初から有効。各項目でサーバの情報を取得出来る。
2.メトリックを利用した、しきい値設定と警告・クリティカルアラート(担当者への警告・緊急時通知設定)
①メトリックにしきい値を設定し、超過した場合にアラートを通知する。
1つのメトリックに対して2つ設定でき、警告しきい値とクリティカルしきい値がある。
表領域使用率(%)で言うと
85%を越えると、警告アラートが発生。
97%を越えると、クリティカルアラートが発生。
注意①【自動拡張の場合は、最大ファイルサイズに対する使用率をさす。100MBの表領域が自動拡張で最大200MBまで
拡張するという前提で、警告しきい値を40%にした場合、80MBでアラートが発生する】
注意②【アラートはタイムラグがある。メトリックの動作が定期的である為】
②アラートはEnterprize Manager上だけでなく、メールで通知する事も可能
3.特定の時点のスナップショット(統計情報)の採取
仕組み
目的
ORACLEはメモリ上に統計情報を保有する為、瞬間的な情報を書き出し、統計情報として利用したい
実行者
MMON=マネージビィリィティ・モニタープロセス(スナップショットを収集するバックグランド・プログラム)
格納フォルダ AWR(自動ワークロード・リポジトリ)と呼ばれる、SYSAUX表領域
ファイル名 スナップショット(AWRレポートとも呼ばれる)
①AWR(自動ワークロード・リポジトリ)のスナップショットの保存期間と収集間隔の設定変更方法
(デフォルトは保存期間は8日。スナップショット収集間隔は60分。経過後は削除される。)
Enterprize
Managerのサーバにある自動ワークロード・リポジトリ→編集ボタンを押す。
4.2つのスナップショップ(統計情報)のレポートを解析する全体的な自動診断機能(ADDM)の活用
仕組み
目的
自動的に2つのスナップショットを解析して、パフォーマンス(データベース処理時間)
に関する問題点を診断し、短くしよう、短くしようとアドバイスする。
実行者 ADDM(自動データベース診断モニター)
格納フォルダ AWR(自動ワークロード・リポジトリ)と呼ばれる、SYSAUX表領域
①Enterprize
ManagerのホームにあるADDMパフォーマンス分析セクションで診断結果を確認出来る
5.役割を分担した形での個別アドバイザ機能の活用
ADDMでは全体の診断であり、個別に詳細な診断を利用する事が、よりよいアドバイスをもらい
負荷回避等を行えます。
個別診断としてSQL系には2つあります。(用途と用語より内容を確認下さい)
自動SQLチューニング・アドバイザ→自動SQLチューニング設定ページで設定可能
(関連するSQLチューニング・アドバイザの用語も合わせて確認下さい。)
SQLアクセス・アドバイザ
個別診断としてメモリ系には5つあります。(用途と用語より内容を確認下さい)
PGAアドバイザ(手動メモリー管理、自動共有メモリー管理)
SGAアドバイザメモリー(自動共有メモリー管理管理方法に応じて、推奨メモリーサイズのアドバイスを行う。)
共有プール・アドバイザ(手動メモリー管理)
バッファ・キャッシュ・アドバイザ(手動メモリー管理)
メモリー・アドバイザ(管理方法に応じて、推奨メモリーサイズのアドバイスを行う。)
個別診断として表領域系には2つあります。(用途と用語より内容を確認下さい)
セグメント・アドバイザ
UNDOアドバイザ
試験対策として記憶すべき用語と用途
メトリック
用途
ORACLE Databaseサーバの状態を監視する為の統計情報の1つ
しきい値を設定して統計情報を採取する仕組み
しきい値より、超えた場合は警告やアラートを通知できる
AWR(自動ワークロード・リポジトリ)
用途
MMONやADDMが診断するスナップショットを格納するファイル領域と格納機能
AWR(自動ワークロード・リポジトリ)と呼ばれる、SYSAUX表領域
ADDM(自動データベース診断モニター)
用途
自動的に2つのスナップショットを解析して、パフォーマンス(データベース処理時間)
に関する問題点を診断し、短くしよう、短くしようとアドバイスする。解決はしない
AWR(自動ワークロード・リポジトリ)と呼ばれる、SYSAUX表領域に診断結果を置く。
手動で任意の2つのスナップショットの期間分析も可能。
自動SQLチューニング・アドバイザ(11gより自動化付きにパワーアップ。自動実装機能は有るが一部である)
目的
SQLチューニング・アドバイザを自動的に実行する
用途
SQLチューニング・アドバイザの実行
SQL問題解決の推奨事項を示す
実装を行える(SQLプロファイルの自動実装を有効化した場合、かつパフォーマンスが3倍以上向上する場合))
但し、索引の作成やオプティマイザ統計の収集に関するアドバイスの実装は自動化できない。
DML分は対象外
SQLチューニング・アドバイザ(10gで導入された機能。自動実装機能は無い。手動で実装する必要がある。)
用途
以下の問題に対して分析を行い、アドバイスする。アドバイスを実行させる実装機能を有する。
(SQLの記述内容の不備・Bツリーのみの索引が不適切・オプティマイザ統計が不最適・SQLプロファイルが無い)
3種類の情報源から解析を行える。
トップ・アクティビティ
= 過去1時間の間に実行されたSQLの中でリソースを多く使用していたSQL
履歴SQL
=
過去に実行されたSQLのうち、スナップショット(AWR)に格納されたSQL
SQLチューニング・セット =
過去に実行されたSQLから複数のSQLを選択し。グループ化したもの
アドバイス内容
SQLプロファイルの作成
SQLの再構成
Bツリーのみの索引の作成(1つのSQLに特化)
オプティマイザ統計の収集
SQLアクセス・アドバイザ
用途
全ての索引やマテリアライズド・ビューのスキーマ・オブジェクトの作成・変更により複数のSQLの処理効率を改善するアドバイスを行う。
アドバイス内容
全ての索引(複数のSQLに対応)
スキーマ・オブジェクトの作成や変更
マテリアライズド・ビュー
マテリアライズド・ビュー・ログ
パーティション
セグメント・アドバイザ
用途
表領域およびセグメントおよび個々のスキーマオブジェクトの縮小操作可能な領域のアドバイスを行う。
UNDO・アドバイザ
用途
システム的な統計情報からUNDO表領域サイズのアドバイスを行う。
メモリー・アドバイザ
用途
メモリー管理方法に応じて、推奨メモリーサイズのアドバイスを行う。
自動メモリー管理→SGAとPGAの合計サイズ
自動共有メモリー管理→SGAの合計サイズおよびPGAの合計サイズ
手動共有メモリー管理→共有プールサイズ、データベースバッファキャッシュサイズ、およびPGAの合計サイズ
共有プール・アドバイザ
用途
手動メモリー管理の際、共有プールのサイズに関するアドバイスを行う。
PGA・アドバイザ
用途
手動メモリー管理、自動共有メモリー管理を使用している場合、PGAのサイズに関するアドバイスを行う。
SGA・アドバイザ
用途
自動共有メモリー管理を使用している場合、SGA全体のサイズに関するアドバイスを行う。
バッファ・キャッシュ・アドバイザ
用途
手動メモリー管理の際、データベース・バッファ・キャッシュのサイズに関するアドバイスを行う。
試験に出ると想定される問題 この分野の出題としては6問
問題1 メトリックの説明として正しいのはどれ?2つ選んで下さい。
1. リカバリーで利用
2.SQLのチューニングで利用
3.システム的な統計情報の取得に利用
4.しきい値を設定し、警告・アラート通知用に利用
解答 3、4
問題2 ADDMの説明として正しいのはどれ?
1.データベース全体のアドバイスを行う
2.SQLのチューニングアドバイスを行う
3.リカバリに関するアドバイスを行う
4.データベース全体のアドバイスを行い、自動的に解決を試みる
解答 1
データベース全体のアドバイスを行う。診断結果のみで、解決まで実行しない。
問題3
ADDMが使用する統計情報はどの領域に書き込むか?また、なんというバックグランドプロセスが利用されているか?
1.UNDO表領域、PMON
2.TEMP表領域、PMON
3.SYSAUX表領域、MMON
4.SYSTEM領域、MMON
解答 3
問題4 ADDMがレポート診断に利用する機能ファイルは以下のどれ?
1.AWR
2.APR
3.AWX
4.AGY
解答 1
1のAWRが正解。AWRはスナップショットとも呼ばれ、診断を行う為にAWRレポートが必要となります。1以外は架空です。
問題5
SQLチューニング・アドバイザがSQL分析を行る為に解析できる情報源として正しいのはどれ?2つ選んでください。
1.SQLチューニング・セット
2.AWR
3.ディスク
4.履歴SQL
解答 1.4
問題6
SQLアクセス・アドバイザを利用してアドバイスをもらいたい。どのアドバイスがもらえるか?2つ選んでください。
1.オプティマイザ統計の収集
2.マテリアライズド・ビュー
3.索引
4.SQLプロファイルの作成
解答 2.3
1.2はSQLチューニングアドバイザが行います。
問題7 自動SQLチューニング・アドバイザの説明として正しいのはどれか?3つ選んでください。
1.索引の作成やオプティマイザ統計の収集に関してアドバイスする
2.チューニングアトバイスで報告された内容を自動で実装できる機能をもつ
3.アドバイスにおいてDML文は対象である。
4.SQLに対してのチューニングアドバイスを自動的に作成する機能をもつ
解答 1.2.4
問題8 EMの機能としてデータベースのメンテナンス機能として正しいものを3つ選んでください。
1.アラートが発生した際に電子メールで管理者に通知できる
2.システム全体のCPU時間が確認できる
3.パフォーマンスのボトルネック箇所を調査できる
4.ADDMが問題調査から解決まで自動でおこなえる。
解答 1.2.3 4は調査のみです。
問題9
ADDMのデフォルト設計として収集する統計情報のスナップショット収集間隔は_①_分。保存期間は_②_日。_②_日経過後は削除される。
①、②の埋めよ。
解答 ①=60 ②=8
問題10 EMでアラート通知通知ルールを作成する場合に必要なものとして正しいものを4つ選んでください。
1.メトリック
2.通知方法
3.ルール名
4.ターゲットタイプ
5.SQL名
解答 1.2.3.4
問題11 EMで電子メールによる通知を行う際に必要設定項目として誤っているのを1つ選んでください。
1.送信者のメールアドレス
2.受信者のメールアドレス
3.送信用メールサーバ
4.受信用メールサーバ
5.送信者のID情報
解答 4 4以外は全て必要な項目です。
問題12 メモリーに関するアドバイスを行えるものを4つ選んでください。
1.PGA
2.ラージプール
3.SGA
4.データベース・バッファ
5.共有プール
解答 1.3.4.5
2以外は全てアドバイス出来ます。
問題13 セグメント・アドバイザが可能なアドバイスを3つ選んでください。
1.表領域内の縮小可能な領域のアドバイス
2.データファイルの縮小可能な領域のアドバイス
3.セグメントの縮小可能な領域のアドバイス
4.スキーマオブジェクトの縮小可能な領域のアドバイス
解答 1.3.4
問題14 メモリー・アドバイザを使用してPGAの合計サイズの推奨を確認したい場合、どの管理であれば出来るか?
1.自動メモリー管理
2.手動共有メモリー管理
3.自動共有メモリー管理
解答 2.3
自動メモリー管理の場合はSGAとPGAの合計サイズであり、PGA個別では推奨確認出来ない。
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